トルクコイル(別名:多条多層コイル)とは、髪の毛ほどの細い素線を数本まとめて巻いたコイルです。「条」とは、コイリングする際の素線の”本数”を指し、条数によって剛性を変えることができます。
非常に優れた柔軟性と回転同期性を備え、手元の回転動作を先端部に正確に伝えることができます。曲がりくねった血管内や大腸などの屈曲した部位でも優れた回転同期を発揮するため、血管内イメージングデバイスや内視鏡処置具などに用いられます。使用用途に合わせて最適な条数・層数をご提案し、発注は試作から量産まで承りますのでお気軽にお声掛けください。
中空構造だからコイルの内径側にワイヤー等の挿入が可能じゃ
トルクコイル(別名:多条多層コイル)は片側を回した際にもう片方の先端がムラなく回転します。通常の長尺コイルばねは、回転するとねじれが生じて回転が伝わりにくくなりますが、トルクコイルは手元と先端の回転がおよそ1:1の比率で伝わります。
シースに挿入したトルクコイルをフープ状に置き、一端をモーターに接続して回転させています。ねじれやすいフープ状態であっても、コイル両端の目印が同じ様に回転している事が分かります。
その他加工方法は、お問い合わせフォームよりご相談ください。
高速回転と回転同期性に優れています。
肉薄で内径を確保したい場合に適しています。
最小板厚0.02mm 板厚:板幅=1:5程度の加工が自社内で可能です。
※圧延サイズは要相談となります
コイル端末を微細にロウ付けし、その端面に段付き加工などの切削加工を行うことができます。
他の部材との組み立て時に活用いただけます。
トルクコイルは標準規格の8条3層から、ご要望にあわせて条数・層・素線をカスタマイズし、試作から量産までオーダーメイドでご提供させていただきます。発注は1本から小ロットで承りますので、試作開発品にご活用いただけます。記載している規格外のスペックも検討可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
線径 ※ | 30μm以上 |
---|---|
内径 | 0.18mm~9.0mm |
外径 | 0.3mm~10mm |
コイル長 | 最大3000mm |
層数 | 1~3 |
条数 ※ | 1~12 |
※ 記載の数値は標準的なD/d=6程度を基準としています。
ピッチや内外径は、D(中心径)÷d(線径)等の条件によって対応可能幅が変わってきますのでご相談ください。
丸線 | 平線 ※1 | |
---|---|---|
高速回転 | ◎ | 〇 |
柔軟性 | ◎ | 〇 |
低伸性 ※2 | △ | 〇 |
※1 最小板厚0.02mm 板厚:板幅=1:5程度の加工可能
※2 コイルの伸びにくさ
例:外径φ1.0mm重視、内径φ0.5mm(参考値)
単層 | 2層 | 3層 | |
---|---|---|---|
素線径(mm) ※1 | φ0.26 | φ0.12 | φ0.08 |
外径(mm) | φ1.0 | φ1.0 | φ1.0 |
内径(mm) | (φ0.48) | (φ0.52) | (φ0.52) |
回転同期性 | - | 〇 | ◎ |
柔軟性 ※2 | △ | 〇 | ◎ |
剛性 ※2 | ◎ | 〇 | - |
高速回転 ※3 | 〇 | ◎ | ◎ |
コスト低減 | ◎ | 〇 | △ |
低伸性 ※4 | ◎ | 〇 | - |
※1 材料はばね用ステンレス鋼線(SUS304WPB)のJIS規格標準サイズとする
※2 垂れ量での評価とする
※3 高速回転を10,000rpmとし、中速・低速はそれぞれ5,000rpm、2,000rpmを基準とする
※4 コイルののびにくさを指す
柔軟性と剛性は相反する性能になりますので、ご要望に合わせて条数をカスタマイズし、お客様にとってベストな仕様をご提案いたします。